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2014年6月 3日 (火)

【厳選過去問/択一】労働基準法 H 23‐6 【賃金】 重要度:A

問 労働基準法の賃金等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

A 労働安全衛生法第66条による健康診断の結果,私傷病を理由として医師の証明に基づき,当該証明の範囲内において使用者が休業を命じた場合には,当該休業を命じた日については労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当するので,当該休業期間中同条の休業手当を支払わなければならない。

B 労働者が業務命令によって指定された時間,指定された出張・外勤業務に従事せず内勤業務に従事した場合には労働者は債務の本旨に従った労務の提供をしたものであり,使用者が業務命令を事前に発して,その指定した時間については出張・外勤以外の労務の受領をあらかじめ拒絶していたとしても,当該労働者が提供した内勤業務についての労務を受領したものといえ,使用者は当該労働者に対し当該内勤業務に従事した時間に対応する賃金の支払義務を負うとするのが最高裁判所の判例である。

C 労働協約において稼働率80%以下の労働者を賃上げ対象から除外する旨の規定を定めた場合に,当該稼働率の算定に当たり労働災害による休業を不就労期間とすることは,経済的合理性を有しており,有効であるとするのが最高裁判所の判例である。

D 労働者が5分遅刻した場合に,30分遅刻したものとして賃金カットをするという処理は,労務の提供のなかった限度を超えるカット(25分についてのカット)について労働基準法第24条の賃金の全額払の原則に反し違法であるが,このような取扱いを就業規則に定める減給の制裁として同法第91条の制限内で行う場合には,同法第24条の賃金の全額払の原則に反しない。

E 労働基準法第37条に定める割増賃金の基礎となる賃金(算定基礎賃金)はいわゆる通常の賃金であり,家族手当は算定基礎賃金に含めないことが原則であるから,家族数に関係なく一律に支給されている手当は,算定基礎賃金に含める必要はない。

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【解説・解答】

A 誤 労働安全衛生法66条の規定による健康診断の結果,私傷病のため医師の証明により休業を命じ,又は労働時間を短縮した場合については,使用者の責に帰すべき事由による休業に該当せず,当該休業期間中については休業手当の支払を要しない(昭63.3.14基発150号)。

B 誤 労働者が業務命令によって指定された時間,その指定された出張・外勤業務に従事せず内勤業務に従事した場合には,労働者は「債務の本旨に従った労務の提供をしたものとはいえず」,また,使用者は業務命令を事前に発したことにより出張・外勤以外の労務の受領をあらかじめ拒絶したものと解すべきであるから,「労働者が提供した内勤業務についての労務を受領したものとはいえず」,したがって,使用者は当該労働者に対し当該内勤業務に従事した時間に対応する賃金の支払義務を負うものではないとするのが最高裁判所の判例である(最高裁第一小法廷判決 昭60.3.7水道機工事件)。

C 誤 労働協約において稼働率80%以下の労働者を賃上げ対象から除外する旨の規定を定めた場合において,「労働災害による休業」を不就労期間とすることは,「公序に反し無効である」とするのが最高裁判所の判例である(最高裁第一小法廷判決 平元.12.14 日本シェーリング事件)。この判例では,従業員の出勤率の低下防止等の観点から,稼働率の低い者につきある種の経済的利益を得られないこととする制度は,一応の経済的合理性を有しており,当該制度が「労基法又は労組法上の権利に基づくもの以外」の不就労を基礎として稼働率を算定するものであれば,それを違法であるとすべきものではないとしている。一方,「労基法又は労組法上の権利に基づく不就労」を含めて稼働率を算定するものである場合においては,当該権利を行使したことにより経済的利益を得られないこととすることによって権利の行使を抑制し,それぞれの法律が労働者に各権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められるときは公序に反するものとして無効となると判示している。

D 正 本肢のとおりである(昭63.3.14基発150号)。

E 誤 扶養家族がある者に対してその家族数に関係なく一律に支給されている手当は家族手当とはみなされないため,割増賃金の基礎となる賃金(算定基礎賃金)に含めなければならない(昭22.11.5基発231号)。

正解 D

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