厳選過去問≪択一≫労働者災害補償保険法

2014年6月21日 (土)

【厳選過去問/択一】労働者災害補償保険法 H 22‐7 【不服申立て】 重要度:A

問 労災保険の保険給付及び特別支給金等に関する処分に対する不服申立て及び訴訟等についての次の記述のうち,正しいものはどれか。

A 保険給付に関する不支給決定に不服のある被災者や遺族は,審査請求をした日から1か月を経過しても労働者災害補償保険審査官の決定がないときは,当該審査請求に係る処分について決定を経ないで労働保険審査会に対し再審査請求をすることができる。

B 「事業主が故意又は重大な過失により生じさせた業務災害の原因である事故」について保険給付を行ったときに該当するとして,政府からその保険給付に要した費用に相当する金額の全部又は一部を徴収する処分を受けた事業主は,当該処分に不服がある場合でも異議申立てをすることはできない。

C 保険給付に関する不支給決定に不服のある被災者や遺族が,労働者災害補償保険審査官に対して行う審査請求は,保険給付を受ける権利について時効中断の効力を生じる。

D 特別支給金に関する決定は,保険給付に関する決定があった場合に行われるものであり,当該特別支給金に関する決定に不服がある被災者や遺族は,労働者災害補償保険審査官に審査請求をすることができる。

E 保険給付に関する不支給決定についての審査請求に係る労働者災害補償保険審査官の決定に対して不服のある被災者や遺族は,どのような場合にも,労働保険審査会に対し再審査請求すると同時に,処分の取消しの訴えを提起することができる。

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【解説・解答】

A 誤 本肢の場合,審査請求をした日から「3箇月」を経過しても審査請求についての労働者災害補償保険審査官の決定がないときは,当該審査請求に係る処分について決定を経ないで労働保険審査会に対し再審査請求をすることができる(法38条2項)。

B 誤 事業主からの費用徴収に関する処分について不服のある者は,当該処分をした都道府県労働局長に異議申立てをすることができる(法41条)。

C 正 本肢のとおりである(法38条3項)。

D 誤 法38条1項の保険給付に関する決定に不服のある者は,労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をすることができる旨の規定は,特別支給金については準用されていないため,特別支給金に関する決定に不服のある場合であっても,労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をすることはできない(支給金規則20条)。

E 誤 保険給付に関する決定についての当該処分の取消しの訴えは,原則として,当該処分についての再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経た後でなければ提起することができない。ただし,①再審査請求がされた日から3箇月を経過しても裁決がないとき,又は②再審査請求についての裁決を経ることにより生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるときその他その裁決を経ないことにつき正当な理由があるときは,労働保険審査会の裁決を経ずに,処分の取消しの訴えを提起することができることとされている。したがって,どのような場合にも労働保険審査会に対し再審査請求すると同時に,処分取消しの訴えを提起することができるわけではない(法40条)。

正解 C

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【厳選過去問/択一】労働者災害補償保険法 H 22‐4 【特別加入】 重要度:A

問 労災保険法第4章の2は,中小事業主及び一人親方等労働者に当たらない者であっても一定の者については,申請に対し政府の承認があったときは,労災保険に特別に加入できるとしている。次の者のうち,特別加入を認められる者として正しいものはどれか。
なお,以下において,「労働保険徴収法」とは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のことである。

A 常時100人の労働者を使用する小売業の事業主で,労働保険徴収法に定める労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託する者

B 常時100人の労働者を使用するサービス業の事業主で,労働保険徴収法に定める労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託する者

C 常時100人の労働者を使用する不動産業の事業主で,労働保険徴収法に定める労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託する者

D 常時300人の労働者を使用する金融業の事業主で,労働保険徴収法に定める労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託する者

E 常時300人の労働者を使用する保険業の事業主で,労働保険徴収法に定める労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託する者

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【解説・解答】

 本問は,中小事業主等の特別加入に関する問題であるが,中小事業主等の特別加入をするためには,厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主で,労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している者(事業主が法人その他の団体であるときは,代表者)及びその事業主が行う事業に従事する者に該当することが必要とされている(法33条1項1号・2号)。上記の厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業の事業主は,具体的には,常時300人以下の労働者を使用する事業主とされている。ただし,金融業,保険業,不動産業又は小売業を主たる事業とする事業主については常時50人以下の労働者を使用する事業主とされ,また,卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については常時100人以下の労働者を使用する事業主とされている(則46条の16)。
 A及びCは,常時100人の労働者を使用する小売業及び不動産業の事業主についての記述であり,D及びEについては,常時300人の労働者を使用する金融業及び保険業の事業主についての記述である。上記のとおり,金融業,保険業,不動産業又は小売業の事業主が労災保険に特別加入をするためには,常時使用する労働者の数が50人以下であることが必要である。したがって,A,C,D及びEの事業主は,当該事業規模要件を満たしていないため,労災保険に特別加入をすることができない。Bは,常時100人の労働者を使用するサービス業の事業主についての記述である。上記のとおり,サービス業の事業主が労災保険に特別加入をするためには,常時使用する労働者の数が100人以下であることを要するが,Bの事業主は,その規模要件を満たしており,他の要件も満たしているため,労災保険に特別加入をすることができる。したがって,Bが正しい肢となる。

正解 B

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2014年6月20日 (金)

【厳選過去問/択一】労働者災害補償保険法 H 24‐4 【保険給付の通則】 重要度:A

問 労災保険の保険給付に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

A 年金たる保険給付を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず,その事由が生じた月の翌月以後の分として減額しない額の年金たる保険給付が支払われたときは,その支払われた年金たる保険給付の当該減額すベきであった部分は,その後に支払うべき年金たる保険給付の内払とみなすことができる。

B 保険給付を受ける権利は,譲り渡すことができない。

C 租税その他の公課は,保険給付として支給を受けた金品を標準として課することはできない。

D 政府は,保険給付を受ける権利を有する者が,正当な理由なく,行政の出頭命令に従わないときは,保険給付の支給決定を取り消し,支払った金額の全部又は一部の返還を命ずることができる。

E 年金たる保険給付は,その支給を停止すべき事由が生じたときは,その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月までの間は,支給しない。

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【解説・解答】

A 正 本肢のとおりである(法12条1項)。また,年金たる保険給付の支給を停止すべき事由が生じたにもかかわらず,その停止すべき期間の分として年金たる保険給付が支払われたときは,その支払われた年金たる保険給付は,その後に支払うべき年金たる保険給付の内払とみなすことができる。

B 正 本肢のとおりである(法12条の5第2項)。保険給付を受ける権利は,譲り渡し,担保に供し,又は差し押さえることができない。ただし,年金たる保険給付を受ける権利を独立行政法人福祉医療機構法の定めるところにより独立行政法人福祉医療機構に担保に供する場合は,この限りでない。

C 正 本肢のとおりである(法12条の6)。なお,労働者災害補償保険に関する書類には,印紙税は課されない(法44条)。

D 誤 本肢の場合,政府は,保険給付の支給決定を取り消し,支払った金額の全部又は一部の返還を命ずるのではなく,「保険給付の支払を一時差し止めることができる」ものとされている(法47条の3)。

E 正 本肢のとおりである(法9条2項)。なお,年金たる保険給付の支給は,支給すべき事由が生じた月の翌月から始め,支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする(法9条1項)。

正解D

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【厳選過去問/択一】労働者災害補償保険法 H 24‐6 【特別支給金】 重要度:A

問 労働者災害補償保険特別支給金に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

A 休業特別支給金の額は,1日につき休業給付基礎日額の100分の30に相当する額とされる。

B 休業特別支給金の支給の対象となる日について休業補償給付又は休業給付を受けることができる者は,当該休業特別支給金の支給の申請を,当該休業補償給付又は休業給付の請求と同時に行わなければならない。

C 既に身体障害のあった者が,業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病により同一の部位について障害の程度を加重した場合における当該事由に係る障害特別支給金の額は,現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額とされる。

D 遺族特別支給金の額は,300万円とされ,遺族特別支給金の支給を受ける遺族が2人以上ある場合には,それぞれに300万円が支給される。

E 遺族特別支給金の支給の申請は,労働者の死亡の日の翌日から起算して2年以内に行わなければならない。

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【解説・解答】

A 誤 休業特別支給金の額は,原則として,1日につき休業給付基礎日額の「100分の20」に相当する額とされる(支給金規則3条1項)。

B 正 本肢のとおりである(支給金規則3条5項)。

C 誤 既に身体障害のあった者が,業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病により同一の部位について障害の程度を加重した場合における当該事由に係る障害特別支給金の額は,「現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額から,既にあった身体障害の該当する障害等級に応ずる障害特別支給金の額を差し引いた額」とされる(支給金規則4条2項)。

D 誤 遺族特別支給金の額は,300万円とされているが,当該遺族特別支給金の支給を受ける遺族が2人以上ある場合には,300万円をその人数で除して得た額とされる(支給金規則5条3項)。

E 誤 遺族特別支給金の支給の申請は,労働者の死亡の日の翌日から起算して「5年」以内に行わなければならない(支給金規則5条8項)。

正解 B

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2014年6月19日 (木)

【厳選過去問/択一】労働者災害補償保険法 H 25‐3 【総合問題】 重要度:A

問 労災保険に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
なお,本問において「二次健康診断」及び「特定保健指導」とは,労災保険法の二次健康診断等給付として行われるものである。

A 同一の業務上の事由又は通勤による負傷又は疾病に関し,年金たる保険給付(遺族補償年金及び遺族年金を除く。以下「乙年金」という。)を受ける権利を有する労働者が他の年金たる保険給付(遺族補償年金及び遺族年金を除く。以下「甲年金」という。)を受ける権利を有することとなり,かつ,乙年金を受ける権利が消滅した場合において,その消滅した月の翌月以後の分として乙年金が支払われたときは,その支払われた乙年金は,甲年金の内払とみなす。

B 二次健康診断の結果に基づき,脳血管疾患及び心臓疾患の発生の予防を図るため,面接により行われる医師又は保健師による特定保健指導は,二次健康診断ごとに2回までとされている。

C 政府は,二次健康診断の結果その他の事情により既に脳血管疾患又は心臓疾患の症状を有すると認められる労働者については,当該二次健康診断に係る特定保健指導を行わないとされている。

D 政府は,保険給付を受ける権利を有する者が,正当な理由がなくて,保険給付に関し必要な労災保険法施行規則で定める書類その他の物件を政府に提出しないときは,保険給付の支払を一時差し止めることができる。

E 労災保険法では,厚生労働大臣は,同法の施行に関し,関係行政機関又は公私の団体に対し,資料の提供その他必要な協力を求めることができ,協力を求められた関係行政機関又は公私の団体は,できるだけその求めに応じなければならないと規定されている。

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【解説・解答】

A 正 本肢のとおりである(法12条2項)。

B 誤 特定保健指導は,二次健康診断ごとに「1回」に限るものとされている(法26条2項2号)。なお,二次健康診断は,1年度につき1回に限り行われる(法26条2項1号)。

C 正 本肢のとおりである(法26条3項)。なお,本肢の場合において,当該脳血管疾患又は心臓疾患の発症が業務に起因すると認められるときは労災保険法から必要な保険給付が行われ,それ以外の場合には健康保険法等から必要な保険給付が行われることとなる。

D 正 本肢のとおりである(法47条の3)。

E 正 本肢のとおりである(法49条の3)。

正解B

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【厳選過去問/択一】労働者災害補償保険法 H 21‐1 【総合問題】 重要度:A

問 保険給付に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
なお,以下において,「労災保険法」とは「労働者災害補償保険法」のこと,「労災保険法施行規則」とは「労働者災害補償保険法施行規則」のこと,「労災保険」とは「労働者災害補償保険」のことである。

A 労災保険法による保険給付は,労働者を使用するすべての事業について,業務上の事由又は通勤による労働者の負傷,疾病,障害,死亡等に関して行われる。

B 労働者以外の者であっても,特別加入を認められた者は,労災保険法上は労働者とみなされ,通勤災害に係る保険給付を除くすべての保険給付を受けることができる。

C 業務に関連がある疾病であっても,労働基準法施行規則別表第1の2の各号に掲げられている疾病のいずれにも該当しないものは,業務上の疾病とは認められない。

D 通勤による疾病は,通勤による負傷に起因する疾病その他厚生労働省令で定める疾病に限られ,その具体的範囲は,労災保険法施行規則に基づき厚生労働大臣が告示で定めている。

E 業務災害又は通勤災害により受けるべき最初の保険給付について被災者の請求が認められた場合には,その後に当該業務災害又は通勤災害に関し引き続いて生ずる事由に係る保険給付について政府が必要と認めるときは,当該被災者からの請求を待つまでもなく職権で保険給付が行われる。

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【解説・解答】

A 誤 労働者を使用する事業であっても,労災保険暫定任意適用事業であって,労災保険に任意加入をしていない事業等については,労災保険法の規定による保険給付は行われない(法3条, 昭和44法附則12条, 整備政令17条, 平12.12.25労告120号)。

B 誤 特別加入者については二次健康診断等給付は行われないため,通勤災害に係る保険給付を除くすべての保険給付を受けることができるのではない。また,特別加入者のうち,通勤災害に係る保険給付が行われないのは,一人親方等の特別加入者であって,次の①から③に該当するものに限られる。したがって,これら以外の特別加入者については,通勤災害についても通常の労働者と同様に保険給付を受けることができる(法35条1項,則46条の22の2ほか)。
 ① 次の事業を労働者を使用しないで行うことを常態とする者及びこれらの者が行う事業に従事する者
  ⒜自動車を使用して行う旅客又は貨物の運送の事業
  ⒝ 漁船による水産動植物の採捕の事業(船員法1条に規定する船員が行う事業を除く)
 ②特定農作業従事者又は指定農業機械作業従事者
 ③危険有害な作業に従事する家内労働者及びその補助者

C 正 本肢のとおりである(労働基準法75条2項,労働基準法施行規則35条,労働基準法施行規則別表第1の2)。たとえ業務に関連がある疾病であっても,労働基準法施行規則別表第1の2第1号から第11号までに掲げられている疾病のいずれにも該当しないもの(すなわち,包括的救済規定にも該当しないもの)は,業務上の疾病とは認められない。

D 誤 通勤による疾病は,厚生労働省令(労働者災害補償保険法施行規則18条の4)で定めるものに限られており,労働者災害補償保険法施行規則18条の4においては,「通勤による負傷に起因する疾病その他通勤に起因することの明らかな疾病」と規定されているが,その具体的な疾病の範囲については告示されていない(法22条1項,則18条の4)。

E 誤 本肢のように,最初の保険給付について被災労働者の請求が認められた場合であっても,その後に支給を受けるべき保険給付については,原則として,新たに請求をしなければその支給を受けることはできない。ただし,傷病補償年金(傷病年金)については,被災労働者が所定の要件に該当することとなった場合に,政府の職権によりその支給が決定される(法12条の8第2項ほか)。

正解 C

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2014年6月18日 (水)

【厳選過去問/択一】労働者災害補償保険法 H 25‐1 【遺族補償給付等】 重要度:A

問 労災保険法の保険給付に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

A 遺族補償給付を受ける権利を有する遺族が妻であり,かつ,当該妻と生計を同じくしている遺族補償年金を受けることができる遺族がない場合において,当該妻が55歳に達したとき(労災保険法別表第一の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く。)は,その達した月から遺族補償年金の額を改定する。

B 労働者が業務災害により死亡した場合,その祖父母は,当該労働者の死亡当時その収入により生計を維持していなかった場合でも,遺族補償一時金の受給者となることがある。

C 労働者の死亡前に,当該労働者の死亡により遺族補償年金を受けることができる遺族となるべき者を故意又は過失によって死亡させた者は,遺族補償年金を受けるべき遺族としない。

D 傷病補償年金を受ける者には,介護補償給付は行わない。

E 年金たる保険給付を受ける権利を有する者が死亡したためその支給を受ける権利が消滅したにもかかわらず,その死亡の日の属する月の翌月以後の分として当該年金たる保険給付の過誤払が行われた場合において,当該過誤払による返還金に係る債権に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき保険給付があるときであっても,当該保険給付の支払金の金額を当該過誤払による返還金に係る債権の金額に充当することはできない。

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【解説・解答】

A 誤 本肢の場合において,妻が55歳に達したとき(労災保険法別表第1の厚生労働省令で定める障害の状態にあるときを除く)は,その達した月の「翌月」から遺族補償年金の額を改定する(法16条の3第4項1号)。

B 正 本肢のとおりである(法16条の7第1項3号)。

C 誤 労働者の死亡前に,当該労働者の死亡により遺族補償年金を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を「故意に」死亡させた者は,遺族補償年金を受けるべき遺族とされないが,「過失」によって死亡させただけでは,このような制限を受けるわけではない(法16条の9第2項)。

D 誤 介護補償給付は,障害補償年金又は「傷病補償年金」を受ける権利を有する労働者が所定の要件に該当する場合に,当該労働者の請求に基づいて行われる(法12条の8第4項)。

E 誤 本肢の場合には,債務の弁済をすべき者に支払うべき保険給付の支払金の金額を過誤払による返還金に係る債権の金額に充当することができる(法12条の2)。

正解 B

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【厳選過去問/択一】労働者災害補償保険法 H 21‐7 【介護補償給付等】 重要度:A

問 介護補償給付等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

A 介護補償給付は,障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が,その受ける権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害のため,現に常時又は随時介護を受けているときは,その障害の程度にかかわらず,当該介護を受けている間(所定の障害者支援施設等に入所している間を除く),当該労働者の請求に基づいて行われる。

B 障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が介護補償給付を請求する場合における当該請求は,当該障害補償年金又は傷病補償年金の請求をした後に行わなければならない。

C 介護補償給付を受けることができる要介護障害の程度については,厚生労働省令において「常時介護を要する状態」と「随時介護を要する状態」とに分けて定められている。

D 二次健康診断等給付は,社会復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所において行われるが,その請求は,一次健康診断の結果を知った日から3か月以内に行わなければならない。

E 特別支給金は,社会復帰促進等事業の一つとして,労働者災害補償保険特別支給金規則に基づき,二次健康診断等給付以外の労災保険の各保険給付に対応して支給される。

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【解説・解答】

A 誤 介護補償給付の支給を受けるためには,介護補償給付を受けようとする被災労働者に支給される障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害が,「厚生労働省令で定める程度」のものであることが必要とされている(法12条の8第4項)。

B 誤 傷病補償年金は,労働者の請求に基づいて支給されるものではないため,傷病補償年金の受給権者については,当該傷病補償年金の「支給の決定を受けた後に」介護補償給付の請求を行わなければならない(則18条の2第1項, 平8.3.1基発95号)。また,障害補償年金の受給権者については,障害補償年金の「請求と同時に,又はその請求をした後に」行わなければならない(則18条の3の5第1項)。

C 正 本肢のとおりである(則18条の3の2,則別表第3)。

D 誤 二次健康診断等給付の請求は,原則として,一次健康診断を「受けた日」から3箇月以内に行わなければならない(則18条の19第4項)。なお,前段の記述については正しい(則11条の3)。

E 誤 二次健康診断等給付のほか,療養補償給付(療養給付),介護補償給付(介護給付),葬祭料及び葬祭給付に対応する特別支給金も設けられていない(支給金規則2条)。

正解 C

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2014年6月17日 (火)

【厳選過去問/択一】労働者災害補償保険法 H 21‐5 【傷病補償年金】 重要度:A

問 傷病補償年金に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

A 傷病補償年金は,業務上の傷病に係る療養の開始後1年6か月を経過した日の属する月の翌月の初日以後の日において次のいずれにも該当し,かつ,その状態が継続するものと認められる場合に支給される。
 ①当該傷病が治っていないこと
 ② 当該傷病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級に該当すること

B 業務上の傷病が療養の開始後1年6か月を経過しても治らず,かつ,その傷病により例えば次のいずれかの障害がある者は,厚生労働省令で定める傷病等級に該当する障害があり,傷病補償年金の受給者になり得る。
 ①両手の手指の全部の用を廃したもの
 ②両耳の聴力を全く失ったもの
 ③両足をリスフラン関節以上で失ったもの
 ④ 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

C 傷病補償年金は,労働者の請求に基づき,政府がその職権によって支給を決定するのであって,支給の当否,支給開始の時期等についての判断は,所轄労働基準監督署長の裁量に委ねられる。

D 傷病補償年金の支給事由となる障害の程度は,厚生労働省令の傷病等級表に定められており,厚生労働省令で定める障害等級の第1級から第3級までの障害と均衡したものであって,年金給付の支給日数も同様である。

E 傷病補償年金の受給者の障害の程度が軽くなり,傷病等級表に定める障害に該当しなくなった場合には,当該傷病補償年金の支給は打ち切られるが,なお療養のため労働することができないため賃金を受けない状態にある場合には,政府が労働者の請求を待たず職権で休業補償給付の支給を決定する。

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【解説・解答】

A 誤 傷病補償年金は,業務上負傷し,又は疾病にかかった労働者が,当該傷病に係る療養の開始後1年6箇月を経過した「日又は同日後」において次の①又は②のいずれにも該当することとなったときに,その状態が継続している間,当該労働者に対して支給される(法12条の8第3項)。
 ①当該傷病が治っていないこと
 ② 当該傷病による障害の程度が厚生労働省令で定める傷病等級(第1級から第3級)に該当すること

B 誤 本肢に掲げられる①から④までの障害は,いずれも労災保険法施行規則別表第2に規定される傷病等級表には掲げられていないため,これらの障害を有する者であっても,厚生労働省令で定める傷病等級に該当する障害の状態にあるとはいえず,傷病補償年金の受給権者となることはできない(法12条の8第3項,則別表第2)。

C 誤 傷病補償年金の支給を受けるためには,労働者の請求は必要とされておらず,所轄労働基準監督署長が,被災労働者が傷病補償年金に係る支給要件に該当することとなった場合に,職権によりその支給の決定を行うこととされている(則18条の2第1項)。

D 正 本肢のとおりである(則別表第1,則別表第2)。

E 誤 傷病補償年金の受給権者の障害の程度が軽くなり,傷病等級表に定める障害に該当しなくなった場合,当該傷病補償年金の受給権は消滅し,傷病補償年金の支給は打ち切られるが,当該受給権が消滅した月の翌月からは,必要に応じ休業補償給付が支給される。この場合,休業補償給付の支給を受けようとする者は,政府に請求しなければならず,政府の職権によって,休業補償給付の支給の決定が行われるのではない(法12条の8第2項)。

正解 D

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【厳選過去問/択一】労働者災害補償保険法 H 21‐3 【療養補償給付】 重要度:A

問 療養補償給付に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
なお,この問において「指定病院等」とは「社会復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所,薬局若しくは訪問看護事業者」のことである。

A 療養補償給付のうち,療養の給付は,指定病院等において行われるほか,厚生労働大臣が健康保険法に基づき指定する病院等においても行われる。

B 療養補償給付は,療養の給付として行われるのが原則であるが,療養の給付を行うことが困難である場合のほか,労働者が指定病院等でない病院等であっても当該病院等による療養を望む場合には,療養の給付に代えて療養の費用が支給される。

C 療養の給付の範囲は,①診察,②薬剤又は治療材料の支給,③処置,手術その他の治療,④居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護,⑤病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護,⑥移送のほか,政府が療養上相当と認めるものに限られる。

D 療養の給付を受ける労働者が当該療養の給付を受ける指定病院等を変更しようとするときは,改めて所定の事項を記載した届書を,当該療養の給付を受けようとする指定病院等を経由して所轄都道府県労働局長に提出し,その承認を受けなければならない。

E 傷病の症状が残った場合でも,その症状が安定し,疾病が固定した状態になって治療の必要がなくなった場合には,傷病発生以前の状態に回復していなくても,傷病は治ゆしたものとして療養補償給付又は療養給付は行われない。

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【解説・解答】

A 誤 本肢の「指定病院等」とは,社会復帰促進等事業として設置された病院若しくは診療所又は都道府県労働局長の指定する病院若しくは診療所,薬局若しくは訪問看護事業者のことをいうが,療養補償給付のうち療養の給付は,当該指定病院等で行われるものである。したがって,厚生労働大臣が健康保険法に基づき指定する病院等であっても,当該病院等が指定病院等に該当しないときは,療養の給付は行われない(法13条1項,則11条1項)。

B 誤 療養の給付に代えて療養の費用が支給されるのは,療養の給付をすることが困難な場合のほか,「療養の給付を受けないことについて労働者に相当の理由がある場合」である(法13条3項,則11条の2)。したがって,本肢のように労働者が指定病院等以外の病院等で療養を望む場合であっても,当該労働者に療養の給付を受けないことについて相当の理由があることが認められない限りは,療養の費用は支給されない。

C 誤 療養の給付の範囲は,本肢の①診察から⑥移送「のうち」,政府が必要と認めるものに限るとされている(法13条2項)。

D 誤 療養の給付を受ける労働者が当該療養の給付を受ける指定病院等を変更しようとするときは,改めて所定の事項を記載した届書を,新たに当該療養の給付を受けようとする指定病院等を経由して,「所轄労働基準監督署長」に提出しなければならない(則12条3項)。また,この場合,所轄労働基準監督署長の承認は必要とされていない。

E 正 本肢のとおりである(昭23.1.13基災発3号)。なお,いったん療養を必要としなくなった場合であっても,その後再び当該傷病につき療養を必要とするに至った場合(再発)には,再び療養補償給付又は療養給付の支給を受けることができる。

正解 E

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